disc-us [ディスカス]
vol.8 2004.11発売 DIAMOND15特集
DIAMOND15
【初回限定盤】
UPCH-9215 ¥3,500(tax in)
特製32Pハードカバージャケット+2004年発売シングル全てのミュージッククリップを収録したDVD付
【通常盤】
UPCH-1415 ¥3,059(tax in)
DIAMOND15 THEME
朝日の洗礼
マスカラまつげ
どうぞよろしく
ラヴレター
今も
MUSIC TRANSFERS
イノセント
HOLIDAY 〜much more than perfect〜
ヒの字
やさしいキスをして
高く上がれ!
はじまりのla
初雪 〜ENDING THEME〜

NEW ALBUM「DIAMOND15」2004.12.08 RELEASE!
 「本当はね、まず、タイトルから決まったの。アルバムの制作を決めたすぐくらいに」というタイトルは、『DIAMOND15(ダイアモンド・フィフティーン)』とある。「これはコードネームなの、エージェントの。彼なり、彼女なりの仕事はね、それぞれの出来事とか、いろんな人とかの中に絶対にある、もちろん、色や形は違ってもいいんだよ、でも必ず存在するはずの輝きを見つけることなの」と、吉田美和。「私たちにとっては、音楽がそのダイアモンドのようなもので、固くて、恐ろしく輝きを放っていて、磨き方次第ではどんな風にもなって、傷つけちゃうときもあるのかもしれないけど、そんな思いを込めていたり」とも加えた。
 その数字にちなんで収録されているのも15曲。アルバムは、例によって前作を引き継ぐ形で「DIAMOND15 THEME」で始まる。50年代のハリウッド映画のオープニングをイメージしたというその幕開けから、DREAMS COME TRUEの、と言うよりはポップスそのもののスタンダードとも呼べる音楽が、新味をともないながらずらりと並んでいる。創意工夫に富んではいるが、奇をてらったところは一切ない。すっきりとしたたたずまいが、なんとも心地いいくらいだ。
 「アルバムによっては、真夏に粋がって皮ジャンを着たみたいな、そういうチャレンジしたい気持ちがいっぱい入っているアルバムとかあるんですけど、それが今回はない。いま、本当に二人が持っているもの全てを使って素直に作ったというか。もちろん、チャレンジ精神や負けず嫌いがなりを潜めた訳ではなく、今回は、いま持っているものを素直に見てもらいたい、というところにあるんですね」と、吉田はいう。
 仮タイトルが、「決金2004」だったともいわれる「朝日の洗礼」、中村正人曰く「ヒップホップ・カルチャーを取り入れたDREAMS COME TRUEの集大成」ともいう「どうぞよろしく」、トム・スコットのサックスが入ることで、何処か懐かしくも何処か新しい微妙な融合ができたという「MUSIC TRANSFERS」、DREAMS COME TRUEの真骨頂のひとつでもある「イノセント」、フォーク調の「高く上がれ!」等々、ポップスの持つ楽しさや切なさが、洋邦を問わずに先達の音楽への敬意をも含みながら心地よく弾んでいる。しかも、歌たちの流れさえもが自然で、澱みがない。
  むろん、そういった中には、既にシングルで発表されてきた歌たちもある。中でも、TBS系TVドラマ『砂の器』の主題歌として書かれた「やさしいキスをして」に関して、「何と言ってもこれが、このアルバムの最大の功労者ですね」と吉田、中村の二人は声を揃える。「ドラマの話をうかがって、純然たる主題歌として書いた曲なんですが、これが出来た瞬間に、絶対、今年はアルバムを作ろうと思った」と吉田が加える。そして、本人たちが主演する初映画『(アマレット)』の主題歌ともなった「ラヴレター」、CMのイメージソングとして起用された「マスカラまつげ」は、ファンの間では圧倒的に人気があるそうだ。そして、吉田美和をまたひとつ新しい領域に運んだかのような「はじまりの la」。
 彼らは、今年でデビュー15周年を迎えた。
 その歴史を、まだまだと、謙虚に受け止めながらも、「ここ3、4年、いろいろあって、いろんな意味で凄く苦しかったんですけど、それがあって出来たのかなあ、という気もするし、このアルバムを作ることで精神的に健康になりましたね」と中村はいう。実際、ここ数年、いろんなことが起きた。だからといって短慮な例えに過ぎるかも知れないが、苛酷な嵐が吹き荒れた後の、穏やかな、しかし、しっかりと明日をも照らす力を備えた爽やかな日射しが、このアルバムには感じられる。歌たちは、贅言を弄されることを拒み、ただ、聴かれることだけを喜びとしているかのように、そこに存在している。雲の切れ間から太陽が顔を覗かせ、その光りを浴びながら歌たちは、そして彼らは、すっきりと季節にあった服を着こなしている。
 吉田は、こうも付け加えた。「15才って、まだ中学3年生だからね。これからもね、40年、50年、本当にやっていきたいなあと思うし、やれたらいいなあ、と思う。1曲1曲丁寧に重ねていって、1枚1枚アルバムを発売して、そのたびにツアーをやって。このアルバムを作って、改めてそう思ったの。そして、そういう思いに真実味を持たせてくれたとまではいかなくとも、自分の中でその目標に向かっての自信をつけさせてくれた、そういうアルバムなんだよね」とも。

文:天辰保文